Midjourneyの問題はモデルではない。プロンプトを磨くのはもうやめよう
テキストプロンプトはAI画像の出力を平均へと引き寄せ、成果物をチャット履歴の奥に埋めてしまう。共有キャンバス上でモデルに実物の参照素材を渡せば、この二つは同時に解けます。
クリエイティブディレクターに「どうしたい?」と聞いても、彼らは長い文章では答えません。参考画像を三枚並べ、そのうちの一枚のある部分を指さして、「これに寄せて、あれからは離して」と言うはずです。
Midjourneyはそのやり方を受け付けません。他のチャット型画像ツールも同じです。渡されるのはテキストボックスひとつ。意図を言葉で書き下すしかない。
問題の核心はここにあり、他のあらゆる不満は、この一点から派生しています。
言葉は「感覚」を伝えるには非可逆すぎる
プロンプトとは「本当に欲しいもの」を圧縮した結果にすぎず、その大半は圧縮の過程で失われます。あの写真の光。あのセリフ体の絶妙な太さ。隣に置かれた箱よりPradaの箱のほうが高級に見える理由。400語書いても再現できない。だからこそプロンプトエンジニアリングという仕事が生まれました。
厄介なのは、誰もが同じように圧縮してしまう点です。「シネマティック」「エディトリアル」「クリーン」を独自に定義している人などいない。世界中の何千というチームが、ほぼ同じ形容詞を、ほぼ同じモデルに打ち込み、ほぼ同じ絵を受け取っています。
FigmaのCEOダイラン・フィールドは、2025年10月のLenny's Podcastでこの仕組みをはっきり語っています。AIが最初に返してくるものは、定義上ジェネリックである。それは学習した全データの平均だからだ、と。テキストプロンプトは、私たちをその平均のど真ん中に立たせ続ける装置にすぎません。Merriam-Websterは2025年の言葉に「slop(AIが大量生産する低品質コンテンツ)」を選びましたが、その「大量」の出どころはまさにここです。
集団に何が起きるかを示すデータもあります。Anil DoshiとOliver Hauserは2024年、Science Advances誌に、執筆者にAI支援を与える実験を発表しました。個々の作品は、AI支援ありのほうが評価が高かった。ところが互いに比較すると、支援ありの成果物は明らかに似通っていた。全員のレベルが上がると同時に、全員が似てきたのです。
良い画像を生むものは何か
上手い一文ではなく、良い素材です。
実際のブリーフは物の集合体です。参考写真、競合のパッケージ、市場レポート、「ソウルのマンションの午後6時のような光にしたい」という会議中のメモ。これら「物」そのものをモデルに渡せるようになれば、出力は平均に引き寄せられなくなる。入力があなた固有のもので、他の誰も同じものを持っていないからです。
もうひとつ、見えにくい効果もあります。参照素材を集める作業そのものが、自分が本当は何を求めているのかを言語化させる、という効果です。多くの人は、二つの選択肢を並べて片方を好んでいる自分に気づくまで、欲しいものが何かを知りません。テキストボックスはそのプロセスを与えてくれない。自分で集めた素材の壁だけが与えてくれます。
そのうえ、ツールは作業の痕跡を捨てていく
仮に良い画像が生成できたとして、それはどこにあるでしょうか。
チャットスレッドの中です。上には40の失敗作、下にはこれから生まれる60の試作。そのスレッドはあなた一人のもので、チームの誰にも見えません。
その100枚の中身を考えてみてください。惜しかったが色味が暖かすぎた版。面白い形で失敗した版。チームが一度は却下した方向性で、記録がないから3週間後にまた誰かが持ち出す方向性。どれにも価値があった。そのすべてが今、個人アカウントの中のスクロール履歴と化しています。
チャットが意思決定の器として不向きなのと同じ理由で、ビジュアルワークの器としても不向きです。チャットは一本の線でしかない。線を線自身と並べて見ることはできません。Midjourneyで2枚を比較するには、スクロールし、片方を記憶に留め、戻り、比較したふりをする。実際には比較していません。思い出しているだけです。
結局、チームはツールが機能しないときにいつもやることをやります。誰かが良さそうな候補をスクショしてSlackに貼る。誰かが「final_v2」というフォルダにダウンロードする。そして一週間後には、その中の4つのバージョンのうちどれが合意されたものか、誰も覚えていない。
ALLOがつくった代替案

ALLOでは、生成がキャンバス上で行われます。だから、二つの問題がひとつの解決に収束します。
モデルに使わせたいオブジェクトを選ぶ。参考画像、競合の商品写真、リサーチ資料、アイデアの断片を書いた付箋。プロジェクトが進行しているボードの上に、それらはすでに並んでいます。プロンプトは記憶から打ち込むのではなく、実物の素材から組み立てられる。モデルに渡るのは形容詞ではなく、あなたの具体物です。
出力は、それを生んだ素材のすぐ隣にキャンバス上に着地します。スレッドの中でも、フォルダの中でもなく。バージョン付きのオブジェクトとしてそこに置かれ、他の5枚と横に並べて実際に見比べられる。画像を選ぶまともな方法は、これしかありません。
そこから流れは続きます。付箋がリサーチドキュメントになり、ドキュメントがインフォグラフィックになり、インフォグラフィックが商品ビジュアルになる。「これは性格診断みたいに使えるかも」と誰かが貼った付箋が、そのままランディングページに育っていく。各ステップは前のステップに紐づき、連鎖の全体が可視化されたまま残ります。だから1か月後でも、チームが何を作ったかだけでなく、どうやってそこに辿り着き、途中で何を却下したかまで見える。
そしてボードは共有されています。採用されなかった40枚も削除されるのではなく、色を落として脇に残る。「なぜこのキャンペーンは、ありがちな案ではなくこの形になったのか」とクライアントに問われたとき、意思決定を後から説明できるのは、この記録があるからです。
画像モデルはこれからも進化していきます。返ってくる絵の質は上がり続け、同時に「他のみんなが得ているものの平均」であり続けます。難しさが残るのは、自分が何を欲しいかを知り、モデルに実物を見せ、自分のものと呼べる一枚を選ぶ、その部分です。
FAQ
AI生成画像はなぜ似通ってしまうのか? 誰もが似た言葉で欲しいものを説明し、モデルはその言葉に対して最も確率の高い出力を返すからです。FigmaのDylan Fieldは、最初の結果は定義上ジェネリックだと述べています。形容詞ではなく自分の参照素材をモデルに渡すことで、出力は平均から離れていきます。
Midjourneyをチームで使いにくいのはなぜか? 生成物が個人のチャットスレッドに溜まっていくからです。出力は線形で、画像を横に並べて比較できず、その人が試したことのほとんどは他のメンバーからは見えない。却下された試作と、選択の背景にあった思考は、スレッドとともに消えてしまいます。
AI画像ツールでより良い結果を得るには? より上手いプロンプトを書こうとするのをやめることです。参考画像、ブランド素材、リサーチ、意図を説明するメモといった実物をモデルに渡す。具体的な入力からしか、具体的な出力は生まれません。
AI生成画像はどこに保管すべきか? チーム全員が一緒に見られる場所です。しかもブリーフや参照素材、却下されたバージョンの隣に置ける場所であること。ダウンロードを集めたフォルダでは、1週間でその文脈がすべて失われます。
ALLOは画像を生成できるのか? できます。キャンバス上で行います。使わせたい参照素材やメモを選択して生成すると、結果は入力素材の隣にオブジェクトとして着地し、チームで比較し、コメントし、選ぶことができます。